どのように打ったら球が曲がる(飛ぶ)のか。
それが飛球法則。
これを知らないとスイングのどこを治せば良いかわかりません。
そんな重要なことを、もし間違って覚えていたとしたらどうでしょう?
例えば信号が青なら渡れ。
信号が赤なら止まれ。
逆に覚えていたら大事故になってしまいます。
しかしゴルフの飛球法則ではこれに似たようなことが起こっていたのです。
今回は飛球法則についてお伝えしていきます。
あなたが今まで常識だと思っていたことが違っているかもしれません。
すぐには理解できないかも知れませんが避けては通れない事実ですのでしっかり理解しておきましょう。
それでは最後までご覧ください。
旧飛球法則とは?今までの常識
旧飛球法則とは今まで信じられてきた球の飛ぶ原理です。
スイング解析ができる機械が登場するまでの球の曲がり方はこのような感じです↓
・球の打ち出しはスイング軌道によって決まる
・球の曲がり幅はインパクト時のフェースの向きで決まる
右から左に曲がるフックを打つ場合、旧飛球法則では
・インサイドアウトの軌道でフェースは目標に向けてインパクト。
このようにすれば振った軌道にボールは飛び出して最終的にフェースの向いた方に球が戻ってきます。
もしフェースの向きがインパクト時に目標より左を向けば最終的に目標より左に行きます。
スライスはその逆です。
新飛球法則(Dプレーン)とは?これからの常識
新飛球法則(Dプレーン)とはスイング解析の機械が登場してデータを計ったら本当はこのような飛び方をしていた、いわば本当の球の曲がる(飛ぶ)原理です。
新飛球法則(Dプレーン)による球の曲がり方はこのような感じです↓
・球の打ち出しはインパクト時のフェースの向きで決まる
・球の曲がり幅はインパクト時のフェースの向きとスイング軌道の差で決まる
右から左に曲がるフックを打つ場合
・インパクト時に打ち出す方向にフェースを向ける。
・スイング軌道をフェースの向きより右になるように振る。
球の曲がり幅はインパクト時のフェースの向きとスイング軌道の差によってできます。
フェースの向きが同じであればインパクト時のフェースに対してスイング軌道がインサイドアウトが強くなればフックは強くなるし、弱ければフックが弱くなります。
インサイドアウトでもフェースの向きよりインサイドアウトの軌道が弱ければ(下の図の場合フェースの向きからすると軌道はアウトサイドイン)飛び出してから右に曲がっていきます。
飛球法則で良く出てくるゴルフ用語
飛球法則を勉強していると良く出るゴルフ用語があるので説明していきます。
旧飛球法則・・・今まで信じられていた球の飛び方
新飛球法則・・・本当の球の飛び方
クラブパス(Club Path)・・・スイング軌道(インサイドアウトなら+表示、アウトサイドインなら–表示)
アタックアングル(Attack Angle)・・・クラブの上下の入り方。上から下に入れば(ダウンブロー)‐表示、下から上に入れば(アッパーブロー)+表示。
フェースアングル(Face Angle)・・・インパクト時のフェースの向き(右を向いていれば+表示、左を向いていれば–表示)
※フェースの向きでどれくらい曲がるか分かりやすい画像があったので載せておきます↓
フェーストゥパス(Face to Path)・・・インパクト時の軌道に対してフェースの開閉度合を表す数値(少なければ曲がり幅は小さく、大きければ曲がり幅が多い)
新飛球法則による球の打ち分け方
インパクト時のフェース面とスイング軌道が重要なのは旧飛球法則でも新飛球法則でも変わりありません。
違うのは球に与える影響。
これはメチャクチャ大切なのでもう一度お伝えします。
旧飛球法則では振った方向に球が打ち出され、インパクト時のフェースの向きによって球の曲がりが決まってくるとされています。
新飛球法則ではフェースの向きに球が打ち出され、インパクト時のフェースの向きとスイング軌道の差により球の曲がりが決まってきます。
新飛球法則を理解できれば球を曲げたり、反対に曲がって困っているのをストレートに近づけることができます。
球を左に曲げたい場合はまず打ち出し方向にフェースを合わせます。
そして曲げたい分だけスイング軌道をインサイドアウトにするのです。
フックを打つ場合
①まず打ち出したい方向にフェースを合わせます。
②次に曲げたい分だけ更に体を右に向けスタンスを決めます。
③スタンス方向に振りぬきます。
あくまでもこのやり方は球を意識して曲げるやり方。
持ち球をこのようにして曲げると体の向きが狂うので大きく曲げる時だけこのように変えると良いでしょう。
新飛球法則の証明映像
まだ信じられない人のために映像をのせておきます。
Dプレーンを詳しく知りたい人はこちらの動画↓
新飛球法則で厄介な部分
スイング解析ができるようになるまでは旧飛球法則が当たり前とされていました。
というかPGA(日本プロゴルフ協会)では2022年現在でも旧飛球法則を飛び方の原理として教えています。
PGAだけでなく多くのゴルフスクールでは旧飛球法則を教えているのが現状です。
1番厄介だと感じる新飛球法則はフェースの向きが70%から85%しか影響を与えない点です。
これが100%影響されるのであれば、違和感があったと思います。
スイングしてクラブがボールに当たるとボールが潰れてから飛んでいきます。
クラブやボールの素材や振った時のヘッドスピード、スイング軌道によりボールの潰れる具合は変わります。
昔は糸巻きボールやパーシモンなどインパクト時の反発が少ない道具を使っていました。
しかし現代では反発係数という言葉があるように球離れが早くなっているのです。
このことにより道具が違えば打っても感覚も違うし、出る球も変わってきます。
インパクトゾーンでストレートな軌道でフェース面が真っすぐインパクトしていれば旧飛球法則だろうと新飛球法則だろうとストレートボールになります。
軽く曲がる程度なら違和感も少ないのが現状。
何故ならフェースが与える影響が100%ではないから。
しかも打っているのは機械ではなく人間。
プロでも毎回全く同じようには打てません。
軽い曲がりなら何とも思っていなかったのですが、フェース面を10度程度曲げた辺りから(あくまでも感覚です)出球が極端に変わってくる感覚はありました。
これは他のプロも言っていました。
感覚の鋭い人であれば少しの曲がりでもこのような違和感を感じるかもしれませんが、残念ながらその感覚は私には無かったという事です。
もし思ったように飛ばなければ
このように考えていたのです。
仮に150ヤード飛ぶクラブで打つとします。
ストレートな軌道でフェースが2度開いて当たったと時はこんな感じ。
旧飛球法則では真っすぐ飛び出し曲がりながらピンから約7ヤード右に落ちます。
新飛球法則では軽く右に飛び出し更に軽く曲がりながらピンから約10ヤード右に落ちます。
スイング解析の機械が登場して新飛球法則がわかりました。
昔はそんな風には誰も言っていなかったのです。
どのレッスン書にも旧飛球法則しか書いていなかったので、そもそも疑ってすらいません。
私は典型的な日本人。
周りが信号の赤は止まれと認識していれば、そんなもんかと疑問すらわきません。
旧飛球法則に疑問があることと言っても
さっき話した大きく曲げる時は出球が変わるから気を付けようって気持ち程度です。
フェースを返しているつもりでも実際は返っていないなど、感覚と実際の動きにズレが出てきます。
これにより右に出て左に曲がる軽めのフックを打つにしても違ってくるはず。
本人はインサイドアウトでフェースを返しながらインパクトでフェースが目標に向くようにしているつもりでも実際は違っているのだと思います。
ですが最近はスイング解析が出来るようになり細かい部分までわかってきました。
結果だけを見れば確かに誤差の範囲かもしれません。
しかし正しい原理はスイングを作るうえで絶対に必要なのでかなり重要だと考えます。
旧飛球法則と新飛球法則でのレッスンの違い
旧飛球法則と新飛球法則でのレッスンの違いは数多くあります。
例を出してみましょう。
アウトサイドインでフェースが開いて大きくスライスしているAさん。
軽く左に出て戻ってくるフェードボールにしたいとレッスンを受けに来たとします。
アウトサイドインでフェースが開いていればボールは右に飛び出てから更に右に曲がるプッシュスライスです。
レッスンをお伝えする前にこちらの画像をご覧ください↓
この画像はスイング軌道とフェースの向きによる球の飛び方を表した図です。
新飛球法則でのレッスン
軽く左に出すためには目標よりフェースを閉じる必要があります。
これで左から右に曲がるボールになりました。
打ち出しは先程と同じですが曲がりが少なくなりました。
旧飛球法則でのレッスン
軽く左に出すためには軌道がアウトサイドインにするので既にそうなっています。
これで旧飛球法則によれば左に出て目標に行くボールになるはずです。
このようにして治しました。
旧飛球法則でも新飛球法則でも曲がりは少なくなりましたが、Aさんの理想になったのは新飛球法則でのレッスンです。
今回の場合新飛球法則では左に出て目標に戻ってくるボールになりました。
旧飛球法則でのレッスンだと真っすぐ飛び出て軽く右に曲がるボールになりました。
今回のレッスン内容では少ししか違いを感じなかったかもしれません。
どちらのレッスンも曲がり幅は少なくなりましたが球筋は変わります。
レッスンには様々なパターンがあります。
あくまでも例なので全てがこのようになる訳ではありませんが、レッスン内容も変わってくるのはお伝えしておきます。
新飛球法則の理解度テスト
新飛球法則で考えた時どのような弾道になるか答えなさい。
※答えは一番下に書いておきます。
1問目
インパクト時にフェースが左を向きスイング軌道がストレートだった場合どのような弾道になりますか?
2問目
インパクト時にフェースが1度右を向きスイング軌道がフェースの向きより1度インサイドアウトだった場合どのような弾道になりますか?
3問目
次の画像を見てどのような弾道になるのか答えなさい。
画像が小さくて見えない人もいると思うので大切な部分を文字で書きます。
フェースアングル5.1
クラブパス3.5
フェーストゥパス1.6
3問出しましたが考えはまとまりましたか?
それでは答え合わせをしていきます。
1問目の解答
フェースの向きに球が飛び出て、フェースの向きからするとクラブの軌道がインサイドアウトになるので左に出て更に左に曲がる弾道となります。
2問目の解答
フェースの向きに球が飛び出て、フェースの向きからするとクラブの軌道がインサイドアウトになるので右に出て左に曲がる弾道となります。
(最下点でボールを打った場合、200ヤード飛ぶなら3.5ヤード右に飛び出し3.5ヤード戻ってくるドローボールとなります)
3問目の解答
フェースアングル5.1
クラブパス3.5
フェーストゥパス1.6
フェースアングルが5.1とはインパクト時に5.1度右を向いています。
クラブパスが3.5とは3.5度のインサイドアウトとなります。
フェーストゥパス1.6とはインパクト時の軌道に対してフェースの開閉度合を表す数値です。
フェースの向きに対してアウトサイドインとなるので
右に出てから右に曲がる弾道になります。
(フェーストゥパス1.6なので球が出てからの曲がり幅は200ヤード飛ばした時に約5ヤードです。)
まとめ
今まで常識とされていたのがスイング解析ができるようになって実際は違っていた。
今までの旧飛球法則を信じてゴルフをしていた人には、すんなり受け入れられない内容だったかもしれません。
今回の内容をどう感じるかは自由ですが、知らないより知っていたほうが良いはずです。
実際にデータで見るにはツアープロが使用するトラックマンなどの解析の道具が必要となります。
ただトラックマンは200万円以上するので個人で持つにはハードルが高いと思います。
個人で買える有名な解析器具はスカイトラックやガーミンです。
このような解析器具があれば今よりゴルフが上達するでしょう。
ガーミンならドライバーを買うのと同じくらいの値段なので、ドライバーを買い替えるより良い人も多いはずです。
今回はわかりやすくするために新飛球法則であるDプレーンを上から見た話ししかしませんでしたが、Dプレーンは3次元です。
ダウンブローやアッパーブローなどのクラブの入射角でスピンが変わってきます。
詳しく知りたい人のために参考動画を載せておきます↓
感覚とデータは違うかもしれませんが、実際の動きはデータによるとこんな感じとなっています。